四国八十八ヶ所お遍路歩き旅 37日目 2022/6/15

今日は第六十番横峰寺を打つ。そして、下山して、第六十一番香園寺、第六十二番宝寿寺、第六十三番吉祥寺、第六十四番前神寺を打つ。そして、地元川崎の飲み仲間である正岡さんと会い、ご自宅に厄介になるという予定だ。

天気予報が曇りに変わり、今日こそ横峰寺へ参ります。宿の人たちからも昨日はお天気待ちで延泊していることを知っているだけに、皆さんから良かったですね、と言われて宿を出た。が、小雨が降っている。今日は、昨晩再会した清田さんと一緒だ。小雨が結構続くので、ポンチョを被る。県道147号線に入って横を流れる妙谷川の水位を確認する。川坂が見える限りは登山が可能、とお遍路マップには書かれているからだ。川底は見えたので気を強くした。30分歩いた頃から、まったく車の行き来は無くなった。山の奥に奥に分け入っていき、舗装道路を登る。小雨は止まない。山の上の天気は予報とは違う。2時間ほど登って湯浪休憩所に到着。ちょうどそのタイミングで、雨が本格的になってきた。休憩所にはホラ笛を練習している方がいた。少しやり過ごそうか、と清田さんと話す。そうしている間に、どこからか長靴姿の女性が現れ、ホラ笛の方と話し込んでいた。この先の山道に躊躇する私たちを見てか、ホラ笛の方が声をかけてこられ、晴れていれば1時間ほどで上がれると言う。岩場のような道をイメージしていた私は足元の話をすると、「運動靴で十分。あのおばさんは毎日、長靴で上り下りしてるよ」と。普段から道にチョロチョロ流れる水という話から、私はちょっと大げさに危険な道をイメージしていたのかもしれない。長靴でも大丈夫なら、と気を強くして、雨がひどくなる中、登り始めることにした。道は土の階段から始まった。普段の遍路道とさほど変わりはない。所々、大きな岩が道を占めるところがあり、そこは滑らないように細心の注意を払った。土の坂と階段、そして注意深くしなければならない所が時々、そんな感じで1.6キロの道は続いた。なかなか横峰寺には辿り着かない。雨は山の中で木々に遮られ、さほど強くは降ってこな。

11時ごろ横峰寺に到着。すごくガスっていて、目の前の堂宇しか見えない。視界は10mほどではないか。お作法を済ませ、次のお寺にアプローチしやすい車道を下り始めた。途中から遍路道に入った。この遍路道が約6キロ続く。岩が顔を出して滑りやすくなっているところも多く、登り以上に注意をして下った。途中の分岐を間違わず進み、休憩所まで来て、そこで昼食をとった。清田さんはそこで今日の宿を決めるため連絡を取るとのことで、私は先に下り始めた。遍路道の後の舗装の道も含め、次の香園寺まで6キロ。香園寺の後もあと3つあることを考えるとゆっくりはしてられない。急ぎ足で下りた。雨はほぼ上がっている。香園寺の手前で神社の中を通り、神社の階段で滑った。滑りやすいことは分かっていながら、手摺をしっかりと持っていながらも、滑った。このミズノのウォーキング靴の欠点だ。滑りやすい。

香園寺は、コンクリート造りのとても大きな大聖堂があるお寺だ。普通のお寺のイメージとは違う光景だ。2階に上がると、固定の席が何百もあり、目の前には大日如来の大きな仏像が祀られていた。国道11号線を東に進み、すぐに次の宝寿寺はあった。香園寺と同様に安産祈願で有名なお寺だそうだ。11号線を進むとすぐに今度のお寺、吉祥寺があった。四国八十八ヶ所で唯一の毘沙門天を本尊とする寺だ。宝寿寺と同じようにこじんまりとしたお寺だった。そこから約3キロ東で少し山手側に上がったところに、今日の予定の最後の前神寺があつた。大きな敷地で、本堂に行くまでも結構離れていた。途中、テントを貼りながら遍路を続ける人と一緒になり、少話をした。なんと雪駄型のスリッパだったのでベテランと思い、10回ぐらい周られているのですか、と聞くともう少し、とあやふやな返事しか返ってこなかった。百回以上や3回連続や、とにかく歩きお遍路に魅入られていく人の話はよく聞く。1回終わって家に帰り、しばらくすると必ずまた来たくなるはずです、と私も何人かの人に言われた。どうなのだろうか。前神寺は真言宗石鉄派の総本山という。17時前、ぎりぎりで納経を終えた。空は晴れている。

これから伊予西条の武丈の湯に浸かり、地元川崎の飲み仲間の正岡さん宅にお邪魔する予定だ。Googleマップで「武丈の湯」を検索すると、なんと廃業してるではないか。急きょ、ここからすぐの湯之谷温泉に行くことにした。ここは宿泊もできるようで、一度宿泊してみたいなと思った。お湯はアルカリ性で優しいお湯だった。これで500円。お湯に浸かる前に正岡さんには連絡済みで、落ち合うコンビニ向かったが、約束の時間には間に合いそうでない。電話して迎えに来てもらった。そして、正岡さん宅へと。入って一服すると6時を回っていた。ビールと鰹のタタキから始まった。正岡さんとは川崎の溝の口駅そばにある山形の日本酒専門小料理屋「よこ川」での飲み仲間。今は東京からここ西条に移住されているが、登山で関東に来られた時などは、「よこ川」に顔を出されるので店で会う。互いに日本酒が好きなのは分かっているので、ビールは缶ビール1本でお役御免。主役の日本酒が登場。正岡さんが揃えた役者は5、6本ありました。次々と立ち替わり出てくる日本酒はどれも美味しく、また料理もローストビーフなどいく品も出していただきました。話はやはりお遍路話。私はお遍路では1日にそんなに人と言葉を交わすことがない日が多いので、酒の勢いもあり、反動でか喋る喋る。そこに仕事を終えた奥さんが帰宅。話はさらに盛り上がり、翌日、二日酔いは無かったものの、喋り酔いの疲れが残っていました。楽しい宴でした。

今日の歩行距離は31742m、歩数は45353歩。歩き疲れは久々の日本酒で消え、喋り疲れが残りました。

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