四国八十八ヶ所お遍路歩き旅 12日目  2022/5/21

今日目指すのは第二十七番神峯寺。標高は500m近いが、半分以上が舗装された道だ。辛いが歩きやすいはずだ。事前に遍路で知り合った北海道の人からラインで情報をいただいた。1時間ほどで寺に着いたとのこと。ただ、今日は朝から雨だ。荷物を軽くして、いらないものはこの宿に置かせてもらって登ることにした。今日も清田さん、大政さんと一緒だ。下山の後、安芸で3人は解散する。大政さんは区切り打ちでいったん大阪に帰る。清田さんは今日のうちに安芸からさらに距離を稼ぐという。私は安芸の街を散策する。宿の勘定をすると、昨日「うらしま」に宿泊したので500円引きになった。経営が同系列なのだろう。得をした気分だ。

朝、雨具のパンツを履きポンチョを被り、スタート。宿から麓まで1キロほど。登り始める。順調に進み、遍路道も思った以上に歩きやすい。ただ、ここでも「マムシ注意」の表示。昨日の金剛頂寺に登る時にも、太龍寺に登る時にも出ていた。この表示が出ると、やはり緊張する。マムシには当たり前だが噛まれたくない。神峯寺に到着。雨の中でも多くの人が訪れていた。お作法を済ませ、さらに上に登って神峯神社にも参った。全てを済ませ、下山。晴れていれば太平洋が見渡せるいい景色なんだろうが、残念ながら見えない。だが、少しずつ雨はあがり、下山した頃には完全に雨はあがった。予報より早い。宿に戻って荷物を取り、国道55線を安芸に向かって歩く。

安芸の町に入るほんの少し前に伊尾木洞という洞窟の案内を発見。大政さんは曰く、昨日見たテレビでも紹介されていたとのこと。少し見てみることにした。昔、ここまで海だった頃、波によって侵食されたという洞窟、そして切り立った岩谷はたくさんのシダで覆われ、下には小さなせせらぎがある。何万年前かにスリップしたかのような光景、55線から歩いて5分の風景とはとうてい思えない。こんな景観は、私これまで見たことがない自然だ。奥に進むと、途中、モデルを使って撮影をしている方がいた。幻想的な絵を撮るなら、ほんと適したロケーションだ。300m奥に進み、滝を見て戻った。ここは自信を持って皆様に薦めることのできる観光スポットだ。

安芸の駅近くまで来て、3人は別れた。私は野良時計を見に行くことにした。ここから3キロほどだ。55線から北に向かった。土佐くろしお鉄道のごめんなはり線を越え、古い街並みを歩いていると、後ろから自転車に乗ったおばさんが寄ってきて、少し待ってと言う。「お接待をさせて」と言い、なんと千円札を差し出してきた。私は軽く断ったがおばさんは引く気はない。後で知ったが、お接待は断らないのが礼儀のようだ。おばさんは、「これも縁。今日はお大師さんの命日の日で、今、お寺に行ってきたの。その帰りで会ったお遍路さん、縁や」と言う。私はおばさんの祈って欲しいお寺でおばさんの健康をお賽銭して祈ってきます、と受け取った。おばさんにはスーパーとドラッグストアを場所を教えてもらい、野良時計に向かった。今度は仕事中であろうおじさんが、「どこ行くんや、お遍路の道と違うやに」と親切にも声を掛けていただきました。少し歩くと、学校帰りの小学生が、「おっちゃん、どこ行くんや」と言う。この子も気にかけてくれている。嬉しいです。なんか私が子供の頃は皆んなこんなやったがね。と、言葉使いがよく分からなくなってきた。さて、野良時計に到着。野良時計というのは、明治の中頃、この地帯の地主であった方が、農民にも時間が分かるようにと自分で作った時計を自分の家に設置したとのこと。なるほどね、と思い宿に向かった。宿は山登家旅館さん。古くからあるようだ。旅館だけあって、お料理はいっぱしなもので、質量ともにた大満足した。

今日の歩行距離は27600m、歩数は39438歩。街のお接待に感動。

野良時計

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