開山すぐに富士山・須走ルートを登る  2023/7/2-3

7月1日、山梨県側の富士山が開山した。合気道仲間の6人で富士山を登ることにした。仲間といっても皆、まだどちらかというと若者に属し、老人の私がそこに混ざっての登山だ。私は今回で4回目となるが、一昨年初めて登った須走ルートが気に入り、このルートを行くということで今回誘われて、私は二つ返事で参加の意思を示した。今年は山小屋がすでにどこも先々まで予約がいっぱいとのこと。コロナも明け、外国人旅行者数もコロナ以前の6,7割ほどに戻り、富士山はやはり人気者だ。静岡県の開山は7/10で、須走ルートは同県なので開山前登山となる。開山早々なので、いちばん心配だったのは残雪の状況。いろいろ山小屋に電話で尋ね、情報を集める。どうもすでにアイゼン無しで須走ルートを登っているようだ。頂上まで残雪は無いようだ。

ということで、7/2朝、御殿場駅に皆集合。2台のタクシーで須走五合目登り口に向かう。まだ梅雨で雨マークが続き、10日前ほどからイライラしていたが、なんと当日は晴天となった。五合目登山口には登山者がたくさんいた。団体の外国人が目立った。私たちは準備に取り掛かり、いざ出発となって、アチャ〜、なんと私の携帯がない! タクシーに置き去りにしてしまったようだ。仲間にタクシーに連絡を取ってもらい、会社に戻るところを途中で須走五合目に引き返してもらうことになった。アイフォンだけが乗車したタクシー代はもちろん私持ちだ。トホホホ。スタートもこれで30分遅れとなった。無事に携帯も戻り、登山開始。草木の茂る山道に入る。森林限界まで、しばらくはこの山道が続く。これがいい。吉田ルートだとこれがなく、始めの平行移動も含め、陽射しを直接受けてずっとザレ場、ガレ場を歩くことになる。変化が少なく飽きてくるのだ。しかし、須走ルートは森林を歩き、ザレ場ガレ場を歩き、下山時は深い砂地、砂走りを歩く。この変化が超楽しい。これって、キリマンジャロのテント泊で登るコースと全く同じだ。キリマンジャロの場合、壁のような崖を登るという場面もプラスであるが。山道を登ること約1時間、陽光を直接に受けることなく、急がずゆったりと進む。雲の中を歩むが、時々切れる雲の合間から山中湖が見え始めた。六合目の長田山荘に着。そこからは木々も高さがなくなり、低い緑の中を登る。30分ほど登ると、次の山荘、瀬戸館に到着。ここでは雲が引き、空は青空、下界には山中湖がしっかり見える。アメリカ人の団体も休憩している。私たちも椅子に座り込み、たっぷりと体を休めた。まだ今日の行程の半分手前だ。急がす頑張るしかない。そして、ここからはほぼザレ場を行くことになる。アメリカ人の団体とは抜きつ抜かれつで互いに励まし合いながら上を目指す。私たちも足のダメージがたまりつつあり、互いに助け合いながら登る。七合目太陽館に到着。ここでは頂上までの小屋、そして頂上も青空をバックにくっきり見える。目的地の小屋まで、あと1時間半ほどか。見晴館、下江戸屋と休憩を入れながら進む。ガレ場にザレ場、足を取られながら、ゆっくりと前に進む感じだ。そして17時前、やっと今日の宿泊地、八合目の上江戸屋に到着だ。中に入って荷物を整理し、食事までひと休み。起きて外に出ると、富士山の影が西の大地に伸びる。前回も見た光景だ。気持ちいい。そんなことしている間に、仲間の若者2人は散歩と称して、なんと頂上まで登って帰って来たという。凄いね、若いっていうのは!

6時から食事をして、明日の荷物の準備をして、夜8時には寝床に入る。朝2時に起き、朝食を済ませて行く準備をする。そして、荷物を預けることができるというので小屋にリュックを預け、3時前に頂上目指して登り始めた。寒いことは寒いが、これまでの富士登山と比べ、あまり寒くない。いつものように頂上での御来光を見るための登山者の列の中で、流れのペースに合わせてゆっくりと登る。4時前には頂上に到着した。あと2,30分で日の出だ。少し明るくなり始めた東の空に向かって、日の出を待つ。東の空は雲に覆われているため、その間に顔を出す太陽を待つ。南の方は低い雲海が広がっている。4時20分過ぎ、太陽が赤く雲の合間に見え始めた。しっかりとした円で太陽を見ることはできなかったが、御来光はやはりありがたい。昔、富士山に登った時には、御来光と同時に頂上では皆の万歳三唱が自然発生的にあったことを思い出した。今回も前回も、もうそんなことはなかった。あれはあれで良かったんだがね。さてと、日の出を見て、富士山の火口を歩く、お鉢巡りへと足を進めた。実はお鉢巡りもまだ開山してはいなかったが、今年は雪が少なく問題なさそうだったので行くことにした。仲間の1人は足の調子が良くなく、先に下山した。彼とは登り口五合目の菊屋で待ち合わせだ。私自身も、お鉢巡りは初めてだ。富士の火口の凄さを確認しながら、富士の北側の光景を見ることもでき、なかなかの感動! そして、最も感動したのは、西側でも早朝の影富士を西の大地に見ることができたことだ。初体験。約1時間半の周回を済ませ、下山を開始。七合目まで今日登った道を下り、そこから砂走りの下山道を行く。途中下山道ではない工事道にも迷い込み、大きな工事車に乗った工事現場者からは厳しいお叱りの言葉をいただきましたが、なんとか砂走りを下山した。最後の森林の中の下山は、もういい加減足が疲れているので嫌気がさしながらも歩くしかなく足を前に進めた。そして、ついに昨日登り始めたところに戻って来ました。いやいや、みんなお疲れさんでした。菊屋では先に下山した仲間が待っていて合流。先ずは、携帯タクシー置き去り事件により、出発を遅らせた私が皆にソフトクリームをプレゼント。そして、各自軽食も済ませ、タクシーを待った。あとは御殿場駅近くの近くの日帰り温泉「オアシス御殿場」に行って、先ずはひとっ風呂だ。ところがここはちょっと変な風呂で、湯船に混ざってプールが中にあった。そこで泳いでみたりもした。サウナ上がりの水風呂とは別にあるのだから、こんな風呂はこれまでに見たことなし。風呂遊びもしっかりして、あとは待望の一杯を飲んで、富士登山を終えた。誰一人大きなケガもなく、そして全員が登頂達成。よかったよかった。そして、やはり須走ルートは楽しかった。この先、何年富士登山ができるかわからないが、他のルートも行ってみようかな、とふと思った。

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