四国八十八ヵ所お遍路歩き旅 23日目 2022/6/1

下の加江に戻ってきた私は今日は北西、三原、平田へと向かい、最後には平田の鶴の家旅館に宿泊する予定だ。

足の水ぶくれに対して、靴の紐の縛り方を変えることによる応急措置を教えてくれた安宿(あんじゅく)のご主人には感謝の気持ちで去り、そしてこれからはひたすら県道21号線で北上します。21号線は道が細いところから始まり、さらに細くなり、二車線になったり、また細くなったりと変容する県道でした。また、前に書きましたが、四国のミミズは黒くて大きい。そのミミズをいたる所の道路で見ました。半分以上は死んでいましたが。道は山を分けて奥は奥へと入り、人が住む雰囲気ではないまま。すると人家がぽちぽち出てくるようになり、かつては田んぼだったような所も出てきた。イセキの農機具があったりもした。減反政策のあおりなのか、継ぎ手がいなくなったからなのかは分からない。と、目の前をたぬきが道を渡った。これでたぬきは2匹目だ。しばらく歩くと、やっと人影を見つけた。それにしても道を歩いていても誰とも半日以上会わないなんてことは当たり前になってしまった。この道で合っているのか?、またここで倒れたら終わりだななど、不安な気持ちをひとりで抱えてずっと歩くことにも本当になれてしまった。先の方で複数人で作業をしているようだ。低木の柑橘系なのか、覆いで囲っているので樹園地であることは確かだ。何の木か聞いてみると、ゆずだそうだ。つい前まで白い花を咲かせていた木だ。徳島でもお目にかかった。今から実がなり、7、8月は青い実で、10、11月に黄色い実で出荷するとのこと。その木の剪定と枝が上に伸びないように地面に打ち付けた木のペグのようなものに紐で枝を押さえていた。収穫の際に、高いと収穫に手間がかかるからだ。囲いは主にうさぎと鹿に食べられないようにするためだそうだ。たぬきや猿は食べないとのこと。人と話すとなんか元気になる。

開けたところに出てきた。いろいろ畑がある。農家の方と話してると、ししとうのハウス栽培を見せてくれるという。20アール、800本のししとうを栽培しているそうだ。そして、1本植木から、なんと3000の実を収穫するとのこと。今はいろいろ野菜を作るのではなく、ハウスも使いながらの何かに特化した専門的農園が求められているのだろうな。ハウスの中ではししとうの害虫を食べる虫を何種類も放ち、育てている、凄いな。その後、生姜畑があることも知った。

山を抜け、町に入ってきた。ここは宿毛市平田町。もうしばらくで今日の宿、鶴の家旅館だ。旅館に着くと荷物を置かせてもらって、あと約2キロ先の第三十九番延光寺へと向かった。古いお寺だ。田園風景からひっそりと中に入ったところにあった。お作法を済まさせ、宿に戻る。宿に戻り、近くのコンビニにお酒を買いに行った。遠くに川沿いを散歩する犬がいた。コンビニから戻ると、宿の女将さんが犬を連れていた。さっき見た散歩は女将さんだったのだ。最初来た時にも犬小屋があるのは見つけていた。小ぶりのラブラドールだ。可愛い、女の子だ。聞くと、神戸税関で麻薬発見犬として8年間働いていて、昨年引退したそうだ。その後の老後を引き受けたそうで、今回で2回目だそうだ。もうすぐ9歳のギャルちゃん(これがこの子の名前)、体重は20kほど。人懐っこく、初見の私の顔を舐めてくれた。今日の宿泊者は私ひとりで、くつろぎました。

今日の歩行距離は35053m、歩数は50085歩。歩いたな、疲れるはずだ。

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