昨日までは晴れの天気予報だったのが、曇りに変わっていた。う〜ん、悩んだがやはり行こうと決め、昨夜から行く準備を進め、今朝花見登山に向かった。行先は奥多摩の浅間尾根。いちばん高い浅間嶺で1000mに満たない低山で、ぶらり気楽な山歩きにはうってつけの山だ。しかも、麓から浅間嶺まで、いたるところで山桜を見ることができる。一週間先となるともう花は散っているかもしれない。今日ですらどうなのか不安なのだ。
8時過ぎに武蔵五日市駅に到着。いつものようにいろんな山に向かう登山者が駅前でバスを待っていた。人数は天気があまり良くないからか決して多くはなかった。いつもの半分以下だ。20分ほど待ってバスに乗り込み、20分ほど乗車して着いたのが「払沢の滝入口」停留所。降車したのは6人ほどだった。靴紐を締め、登山開始。先ずは払沢の滝に向かった。川沿いの山道には桜の花びらがいっぱい散っていた。上を見上げるとほぼ花はない。ああ、一昨日の雨で散ってしまったのかと思いながら滝に向かった。途中、黄色いヤマブキが咲いていた。桜も発見したが、葉桜となっていた。払沢の滝に到着、日本の滝百選の一つで高度差は約60m。写真を撮り、すぐに来た道をもどり、途中から浅間尾根に向かう道に入った。
集落の間を抜ける道には、咲いていました、綺麗な桜が。しだれ桜、八重桜などもあり、満開の桜が迎えてくれました。良かったぁ、まだ散っていませんでした。登り切って時坂峠に出て、しばらく歩くと何年か前に閉店した茶屋の前に着きました。これまでは来るたびにこの茶屋で、いつもお茶と甘味をご馳走になったものでした。中を覗くと、何人かで荷物を運び出してる様子。家の取り壊しだな。旧民家の渋いお茶屋でしたが、もうすぐなくなってしまうのですね、寂しい限りです。その後、登りの山道を焦ることなくゆったりと進みました。桜とは出会えないものの1時間半ほど森林浴を楽しみながら登山。そして、やっと浅間嶺に到着。南北に視界が開け、奥多摩の山々を一望することができました。しかし、あいにくの曇空で富士山は見ることはできませんでした。そして、2本の桜が大岳山、御前山をバックに写真撮ってくれと言わんがばかり、満開に咲いていました。私はまずはその前で昼食を取ることにしました。
食事を終えると、これまで歩いた道のりと同じくらいの距離を西に、「浅間尾根登山口」バス停に向かって歩き始めました。登山口の少し手前に今回の山歩きの第二の目的の場所があります。「浅間坂~木庵」です。小さな宿で、お風呂だけでも楽しめ、そして美味しい料理も食べられるのです。今回でここに訪れるのは、もう4回目になるはず。そこに向かって、下りの山道を黙々と歩く。1時間半ほど歩いて人と出会ったのは3回だけ。怪我だけはしないよう気をつけ、黙々と歩く。木庵の看板が見えました。嬉しい! 一年ぶりかな。店に顔を出し、今、お風呂に入れるかを聞くと、今日は宿泊者がいないらしく、大丈夫とのこと。宿に隣接した風呂に行き、檜風呂を選んでお風呂をいただいた。いつものように、ここの風呂の湯加減が私にはぴったりで、体を湯につけ、今日の山歩きの疲れを癒しました。窓の外には山と赤い花の木が目を癒してくれる。風呂から上がり店に行くと、奥の座敷に上げてもらった。風呂に入る前に頼んでおいた、刺身こんにゃく、合鴨の燻製、煮付けの盛り合わせ、付きだし2点が机の上に並んだ。顔見知りとなった女将さんにいつものように、じゃがいもの焼酎を水割りで頼むと、またいつもと同じように、水で割るのは勧めません、ロックでと勧められ、ロックを頼んだ。この檜原村でとれたじゃがいもで作った焼酎、なかなかアルコール度も高く、これが美味い。その後は地元の日本酒も飲み、最後は手打ち蕎麦で締めくくった。ふと机の横に目をやると、「なつはぜジャム」と書かれた案内があった。檜原で採れる「なつはぜの実 」というのがあるようだ。写真を見ると、ブルーベリーのような感じで、実の大きさはブルーベリーより少し小さいらしい。試しに少し食べさせてもらった。確かにブルーベリーに似ていて、ブルーベリーより酸っぱい。しかし、スッキリした酸っぱさ。パンにつけるよりヨーグルトに入れて食べるといいよとアドバイスをもらった。そのジャムをお土産に買って、私は帰りのバス停へとほろ酔い気分で向かった。くつろぎの花見でした。