錦繍の秋、那須岳を登る  2022/10/12,13

紅葉の山を登ろうということで、ひと月前からいろいろ計画を練った。日光白根山、磐梯山、鳥海山、那須岳などと案が出たが、天候が10月に入ってから不安定になり、宿泊先や交通の便も絡まって、なかなか決まらなかった。結果、都合がつくのがリタイア組の私ともう1人ということになったので、予報で天気の良いウィークデイの日に決めた。また、宿泊は以前から一度行ってみたかった憧れのランプの宿として有名な三斗小屋に決めた。

あれだけ天気予報を見て決めた日程だったが、10日ほど前から毎日予報も変わって、結果は2日とも曇となった。青空の錦繍の秋を楽しもうと思っていたが残念。ま、雨ではなかったのが何より。初日、新幹線那須塩原駅から那須ロープウェイ麓駅行きのバス乗り場にはそれなりの数のお客さんがバスを待っていた。そして、到着したロープウェイ乗り場にも多くのお客さんがいた。私もそうだが、ほとんどが高齢の登山者だ。しかし、ウィークデイの曇りにも関わらず、これだけ客を集めることができるのは、やはり紅葉で有名な那須岳のことはある。4,5分でロープウェイは山頂駅に到着した。ここで高度1684m、茶臼岳の9合目にあたる。私たちは、ゆっくりと草木のない禿げた白土の上をゆっくりと登り始めた。約30分かけて高度230m を登って、茶臼岳山頂1915mに到着。山頂からは那須塩原町に裾野が伸びる山々が見え、曇り空の間から差す力のない陽光に薄く紅葉した木々が照らされていた。私たちは山頂を後にして100mほど山を下り、そして南の牛ケ首の方に向かった。

途中で山肌から煙の上がる所があった。さすが、活火山の証拠を見せてくれる。そして、煙の上がる所から西側に広がる谷間は紅葉が進んでおり、美しい景観を作り出していた。私たちはその紅葉の谷間、姥ケ平に向かって山を下った。山の臼の底に位置する姥ケ平の広場には休憩する机があり、私たちは昼食を取ることにした。昼食後はさらに西に向かった。すぐに池があり、水面には紅葉と茶臼岳が映し出されていた。さらに西へと向かい、沼原分岐を今度は北へと向かった。途中から下りが続き、細い川を渡り、また急な登り道を登った。それからは、北へと進み、次の分岐を西にとって三斗小屋温泉へと向かった。小さなアップダウンを繰り返し、疲れた。江戸時代からこの三斗小屋温泉は有名で、明治時代には五軒の宿があったようだ。今は2軒で、大黒屋と煙草屋旅館があり、私たちは大黒屋を予約していた。大黒屋に着くと、ちょうどチェックインの時間帯でもあり混雑していた。それにしても、ウィークデイにも関わらず満室のようだ。そうか、昨日から全国旅行支援が始まっており、それと紅葉時期が重なっているのだから当たり前と言えば当たり前かも知れない。私たちは新館で8畳ほどの部屋に通された。2人でこの広さは十分だ。荷物を置き、まずは温泉。温泉は檜風呂と岩風呂の二つがあり、時間ごとに男女分かれての使用となっていた。いい風呂でした。山小屋で風呂に入れるだけでも贅沢なのに、こんないい風呂に入れるなんて、ほんと感動です。食事は部屋食でゆっくり食べることができ、食事の内容も十分なものだった。

翌朝は朝風呂にもちゃんと浸かり、7時半に出発。東に向かう。小屋を出て、登り坂に入り、すぐにこの三斗小屋温泉の源泉であろうところに出た。白い煙がモクモクと出ている。その後はひたすら200m以上高度を上げ、隠居倉1819mに到着。そこからさらに東に向かって、次の分岐を北に向かった。山を上っては下るを繰り返して、やっと三本槍岳頂上1917mに到着。曇りではあったが、四方に遠くを望むことができた。直ぐに今来た道を戻った。熊見曽根分岐もこえ、次は朝日岳を目指す。朝日岳の肩に来た時には周りはすべてモヤに包まれていた。朝日岳の頂上1896mまでは登ったが、そこからは全く何も見えない。そのまま、さらに南に向かった。断崖を横に歩く場所には鎖場があり、なかなか緊張したが、モヤで下が見えないので恐怖感は高まらず助かった。今にも雨が降りそうなモヤの中をさらに南に下り、そして峰の茶屋跡の分岐でひと休み。そしてそこからは東に下り、ロープウェイは使わずにロープウェイの麓駅まで下った。無事下山。ロープウェイの麓駅のお土産屋は旅行支援でもらったポイント券を使うことができたので、チーズケーキと日本酒をゲットした。そこからはバスに乗り、塩原温泉で温泉に入り、体を温め、家路についた。

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