多摩八十八ヶ所巡拝3 多摩丘陵を行く 2022/10/18

秋晴れの見本の様な天気に誘われて多摩八十八ヶ所巡拝の続きに出かけた。今日は多摩川の西、稲城市から町田市を自転車で駆けた。武蔵野の台地からは多摩川を挟んですぐの小高い多摩丘陵が続くところだ。

青い空の下、10時過ぎにスタートして多摩川沿いを矢野口まで走り、そこから少し西に入って、三沢川からは川沿いに北西に進んだ。三沢川の川沿いにはずっと桜の木が植わっている。川には鯉や鴨がいる。来春には桜を見に来よう、静かな華麗なところだ。川沿いには川崎梨の大きな果樹園が何ヵ所かあった。3キロほど川沿いに走ると、少しずつ里山の風景に変わってきた。田んぼがあるが決して大きくはなく、山々の中のほんの小さな平地を耕して出来た田んぼのようだ。

京王相模原線に沿って走る坂を上がって、第八番の高勝寺に到着した。古刹であって歴史を感じさせるお寺の中では、本日葬儀があるようで、葬儀屋のスタッフがその準備に追われていた。その中を私はお作法を済ませた。立派な本堂には大きな大日如来像が祀られていた。牡丹の花がかつては多く花を咲かせていて、花の寺としても有名であるようだ。続いて、今来た坂道を降りて、相模原線の高架の下を通り、鶴川街道を渡って、また坂道を上がった。少しいくと、第九番宝蔵院に到着。今は本堂はコンクリート造りだが、ここも古く、室町時代末期にできたお寺だ。お作法を済ませて御朱印をいただきに寺務所に伺った。対応してくださった方としばし話す。この辺りから八王子にかけては山々が続き、昔は人なんか住んでいなかったという。奥深いところにあったお寺なんだと思う。四国八十八ヶ所札所の話も交え、弘法大師様の話に花を咲かせて、宝蔵院を後にした。鶴川街道を西に走り、京王相模原線、そして小田急多摩線の高架をくぐり、次は南にある柿生へと向かった。小田急線を渡り、坂道を登ったところに第十番高蔵寺はある。ここはもう町田市だ。駐車場も大きく、何やら立派なお寺のようだ。楽しみだと思いきや、門は閉ざされ、「参拝者さま 必ず復興致します。楽しみに待っていて下さい」と書かれた貼り紙が貼ってあった。何らかの事情があってのことだろう。いつ復興するのか分からない。また時期を置いて訪れるしかない。線路をまた渡って1キロほど西に行ったところに第十一番慶性寺がある。山門をくぐって、正面の本堂にお作法を済ませる。人はおらず、御朱印の入った袋が本堂前にぶら下げられていた。私は御朱印を頂き、誰とも話さずお寺を後にした。もう4時だ、今日の巡拝は終わり。今日はずっと青空の下、暖かい陽を受け、清々しい風の中を自転車で走ることができ、幸せな気分で家に向かってペダルを踏んだ。

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