いよいよ来ました、最後の日、最後のお寺。今日は宿から南へ約5時間歩き、四国札所巡り最後のお寺、第八十八番大窪寺を打ち、結願を目指す。
朝、宿の部屋で最後の足のケアをする。最後を直前に怪我はしたくない。慎重に足のテーピングを行う。毎日、寝ている間も足の裏は痺れを感じ、時たま痛みも感じる。寝ながら痛い箇所を覚えておこうとする。朝、ケアするためだ。しかし、たいていは朝は痛みがほぼ消えていて、テーピングするとまったく痛くなく、どれだけでも歩けますと足が言う。足のテーピングが気持ちのテーピングにもなり、気合が入るのだ。今日で最後のテーピングを終え、宿を出て、まずはコンビニでバナナと牛乳とチーズカマボコを買い、南へ進んだ。最初の2キロほどは平坦、そこから徐々に坂道になる。舗装の遍路道に入る前に「お遍路交流サロン」に立ち寄った。お遍路の資料がたくさんあり、興味深く見た。また、八十八ヶ所を完歩した証明書もいただきました。さて、冷たい水も飲み、トイレも行って出発。舗装のお遍路道に入って歩くと、いつものようにたくさんのお地蔵さんが見守ってくれている。お地蔵さんの肩から肩へが歩く方向を示してもくれている。そう教えてくれたのは、一昨日泊まった高柳旅館のご主人だ。他にも、菅笠は両肩まで雨がかからない大きさで、アブが入ってこない深さでもある、白衣の白さは動物から見ると膨張色のため大きく見えて動物が逃げる、金剛杖をつく振動が道で伝わり蛇が逃げる、脚絆の上のブカッとした白パンツは蛇に身を噛ませない為、などすべてにちゃんとした理由があることを教えてくれた。科学的なものの見方がお大師さんの凄いところで、これに通じるのだと。なるほど、すべて納得でき、こんな話を聞けたことに大いに感謝でした。
私はお地蔵さんは、気がつく限りスマホに写真で収めてきました。いちばん身近で見守ってくれるからです。昔ながらの民の祈りに近い思いがあるのです。さて、そんな中、馬のお墓がありました。感動です。炭や小麦粉を運ばせていた馬も命ある生き物。ちゃんと愛してたからこそ墓を作ったのでしょう。こんなのを見て感動する自分を大事にしたい。
坂は厳しく続き、なかなか峠を越えません。この坂を花折坂と呼ぶようです。昔、神仏に加護を願って、花を折って供えたところから名前がついたようです。やっと下りになった所にお遍路さん休憩所があったので休むことにしました。バナナと牛乳を出して食べていると、道を挟んだ向こうの森の上からザワザワと音がする。そのうち、キーキーと叫び声が聞こえてきた。完全にこれは猿だ。猿が枝を揺すって音を立て、自らも声を出して私を威嚇してるのではないか? 恐怖を感じ、ストックを出し、早く食べきりリュックを背負った。そして、さっさとその場を後にした。ほんとうはどうだったのかは分からないですが、ビビった。それから県道に出て歩くと、「結願の里」と言う道の駅ようなものがあったのでトイレで立ち寄った。中で冷たいお水もいただき、どぶろくの試飲もさせてもらった。坂道は続き、また舗装のお遍路道に入っても坂道は続いた。
やっと下り始めたなと思ったら、すぐに大窪寺の山門が前に現れた。標高445mにある寺だ。本堂、大師堂以外にもお大師さんの像、お地蔵さんなど祀ってあるところで手を合わせ、感謝の祈りを行いました。お作法を済ませ、お寺の向かいにあるお食事処「八十八庵」でひとり祝いで、満願いなりとざるうどんを食べました。
今日のここまでの歩行距離は17857m、歩数は25001歩。皆さんのおかげで結願出来ました。ありがとうございます。感謝。
遂に終了してしまいましたね。
お疲れ様でした!
吉田さんの悪戦苦闘、すべて読ませていただきました。
まずはごゆっくりお休み下さい。
お疲れさまでした。人生で誰もが体験できることでは無い、体験が出来て凄いことです。
お大師様が呼んで下さったのだと思います。これから先の人生に大きな糧になるでしょう
良かったです。そして又お遍路を続けてください。