四国八十八ヶ所お遍路歩き旅 15日目   2022/5/24

今日は眼の前の第三十三番雪蹊寺をはじめに、次の第三十四番種間寺で高知市内を終え、土佐市の第三十五番清瀧寺、第三十六番青龍寺を周る計画だ。動き出す準備で、今朝いちばん大事なのは足のケアだ。昨日歩き過ぎた結果、左足親指の母子球と小指の側面に水ぶくれができ、それが痛むのだ。宿の女将さんに頼んで安全クリップをもらった。針の部分をライターで焼いて、テイッシュで拭いて、水ぶくれに何度か刺して水分を抜いた。そして、オロナインを塗り、バンドエイドを貼り、カットメンを当ててテーピング。これでどうか、今日の様子を見る。

朝一番7時半に向かいの雪蹊寺に入った。さすがに私が一番のようだ。町の中にこじんまりとあるお寺だ。お作法をすませ、種間寺へと向かう。田園地帯を歩き、大きな門構えの種間寺に入る。暑さで頭が少し朦朧ているようだ。お作法を済ませ、少し陰で休む。靴下を二重に履いていたが、一足は脱いだ。少しきつ過ぎたからだ。落ち着いたところで次の清瀧寺へと向かう。

大きな仁淀川を渡って、56号線沿いに7キロほど行く。途中、セルフうどん屋に入り、きつねうどんと揚げ物を食べた。食べないとバテると思い、腹に入れた。この道がきつい。幅広の道路と歩道。陰のない道を日差しをまともに受けての移動となった。相当きつい。やっと寺への坂道が始まった。今度は坂が厳しい。道の両脇には地蔵さんが迎えてくれる。坂を登り切ると仁王門があり、次は長ーい石段。最後上がり切ったところで本堂、太子堂だ。こじんまりとしてるが歴史を感じる寺だ。お作法を済ませて、下を見る。歩いて来た街並みが小さく見える。ふと気づいたが、私が境内に入ってから誰一人も入って来ていない。こんなことは今回の八十八ヶ所巡りで今まだに経験したことがなかった。私は休憩場所にあった長椅子に寝転がった。ほんの数分かもしれないが寝入った。気持ちいい。目を覚ましても、まだ一人きりだ。なんか仏様に私との二人だけの貴重な時間を作ってもらったような気がした。少し疲れが取れ、さっ行こうかと思った瞬間、二組の参拝が訪れてきました。ありがとうございます、仏さま。私は車道で下山、次に向かいました。

先程来た幅の広い道路、56号線の道を戻り、途中から39号線を南に向かう。相当、足は疲れているし、暑さによってバテてもいる。多分、青龍寺の納経は時間的には間に合わないだろと思う。そこで、今日宿泊予定のホテル、ヴィラ・サントリーニのオーナーに今の状況をお知らせするラインを送った。青龍寺より高いところにある高級なリゾートホテルだ。今日は仕事でお世話になった旧知の方がオーナーである、このホテルに泊まるのだ。39号線を南に向かって坂を登る。するとトンネルだ。トンネルが峠の上のようで、トンネルを抜けると、そこは海の見える海国だった。坂の上でもあり、遠くに海が見えた。坂を下り、海岸線にたどり着き、次は海岸線を西に向かう。1キロほど歩くと、南向かいの横浪半島に渡る宇佐大橋の一端に辿り着いた。橋を渡り始める。オーナーの大井さんに今度は電話し、こちらの状況を伝える。オーナーは仕事を片付け、こちらに車で来るとのこと。青龍寺で待ち合わせることにした。1キロほどある橋を渡り、遍路道を選んで青龍寺に向かった。この遍路道が思った以上に長く、登りがきつく、一度峠まで登り、それから下がって青龍寺への参道と繋がった。参道を歩いていると大井さんからの電話、電話に出ると、「後ろを見て」という言葉。大井さんも今到着したところで、久々の再会。もう納経の時間は過ぎているので、私は車に乗り込み、いざヴィラ・サントリーニへ。

ヴィラ・サントリーニは仕事で2年ほど前に来た時とあいも変わらず、青も変わらず、白も変わらず、素敵なホテルでした。私のこのホテルへの愛も変わらずです。エーゲ海のサントリーニ島に建つホテルをイメージしたホテルです。前回訪れた時は建造中だった新館もでき、今回私はそこに部屋を取ってもらいました。バスタブにお湯をはって、海を見ながらくつろぎ、夕食は大井さんと一緒に頂きました。こんな工夫、どこから思いつくのやらと驚きの料理が出て、味も舌鼓。日常を忘れさせてくれるリゾートの本質を突いたホテルに、私も先程までのお遍路の歩き旅を忘れ、世界の船旅で訪れたエーゲ海にやって来ました。この日の夜の眠りはエーゲ海に捧げました。

今日の歩行距離は32832m、歩数は46914歩でした。たまにはこういう日があってもよし。

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